ECMO(体外式膜型人工肺)とは?

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新型コロナウイルスで注目されるECMOとは?

現在、世界各国で新型コロナウイルスが猛威をふるい、2020年11月17日時点で、日本国内の感染者は119,326例、死者数1,903名となっています。そのようななか、治療の一つとして ECMOが注目されています。ECMOとは、体外式の人工肺を用いて血液の酸素化を行います。現在主流となっている人工肺は「膜型人工肺」です。ポンプを用いて患者の血液を脱血し、ガス透過膜を介して血液の酸素化と二酸化炭素除去を行った後に再び血液を体内に還す装置です。そうすることで肺を休めて肺損傷の回復を図ることができます。ECMOについてもう少し詳しく説明します。ECMOとは脱血部位と送血部位により2つに分類できます。まず、1つ目は、静脈血を脱血して、膜型人工肺で酸素化した血液を動脈に還す方法です。つまり、脱血部位は静脈、送血部位は動脈ということになります。大腿静脈などから静脈血を脱血して大腿動脈から送血を行い、心拍出の補助を行うのが主な目的です。つまり、ガス交換を行う肺と、全身に血液を送る心臓の両方を補助することになり、VA-ECMOと呼ばれます。PCPS(経皮的に心臓と肺を補助する治療)=VA-ECMOということになります。VA-ECMOは循環不全を合併している場合に適応となります。2つ目は、静脈血を脱血して、膜型人工肺で酸素化した血液を静脈へ還す方法です。つまり、脱血部位・送血部位ともに静脈ということになります。下大静脈から脱血し、膜型人工肺を介してガス交換を行った血液をポンプで上大静脈から送血します。これは、肺によるガス交換能のみを補助することになり、VV-ECMOと呼ばれます。心機能に問題がない場合に適応となります。

ECMOを使うと血栓ができやすくなるため、血液の凝固を防ぐ抗凝固薬を使います。抗凝固薬を長時間使用することにより脳出血や消化管出血を起こすリスクが高まり、侵襲性が高く、24時間の監視体制を必要とするので、どこでも容易に施行できる治療法ではありません。

今後の課題

新型コロナウイルスに感染し、ウイルスが増殖すると肺胞の機能が落ち、血液に酸素を取り込み二酸化炭素を排出する機能が低下します。その場合、生命を維持することが難しくなります。このような場合、人工呼吸を使って高濃度の酸素を送りますが、活性酸素が多く発生するため肺に障害が起きる恐れがあります。ECMOを使うと肺を休ませながら血液の酸素化が行えます。しかしながら、2020年2月に行われた日本呼吸療法医学会・日本臨床工学技士会の調査によると、ECMO設置台数は全国で1,400台ほどであったとのことです。また、台数の問題だけでなく、前述したようにECMOは熟練された医療スタッフによる管理が必要であることから、医療スタッフの確保という問題もあります。冬を迎える中、猛威をふるい続ける新型コロナウイルス。医療供給体制の確保が最優先課題であるといえます。

 

引用・参考文献:
厚生労働省.“国内の発生状況など”.https://www.mhlw.go.jp/stf/covid-19/kokunainohasseijoukyou.html.(参照2020.11.18
公益社団法人 日本臨床工学技士会.“人工呼吸器およびECMOの装置の取扱台数等に関する緊急調査の結果について”

 

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