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認知症患者の家族が抱く不安
認知症と診断され、自分が自分ではなくなる事への不安やこれからの人生どう歩んでいくべきか解らなくなるということに対して本人も不安がありますが、それと同じくらい、もしくはそれ以上に、家族も不安を抱きます。
認知症の方に対しては、診断や診察を行っても家族のケアまで行う場所はとても少なく、家族が抱く悩みを解消できず、生活しているという方を沢山いるという事を知りました。
では、認知症患者の家族の不安とは一体、どのようなものがあるのかをご紹介します。
認知症を治す治療はない
まずよく聞かれるのは、認知症を治す薬をください。ということです。
認知症は薬で治ると思っている家族はまだまだ沢山います。ですが、認知症を治す薬はまだ開発されておらず、症状の進行を抑える薬しかありません。このように、認知症が進行したら困るから一刻も早く薬を飲んで早く治したいというのが家族の気持ちです。
なぜゆうことを聞いてくれないの
次に多いのが、「言うことを聞いてくれないんです」
この困りごとは多くの認知症の家族が抱えている問題ではないでしょうか。
家族ゆえに、「なぜわかってくれないの」「なぜ困ることをするの」といった怒りやあきらめにも似た感情を抱くことがあります。そしてついつい口調がきつくなったり、伝わりにくいコミュニケーションになり、認知症の人はさらに興奮して…という負のスパイラルに陥入りやすくなります。
これでは、認知症の方は理解することができません。
そんな時には時間をあけて違うアプローチをしてみる(次は話題を変えてみる)、目を見てゆっくり、かつ短的に話すなどしてみましょう。
そして「ゆうことをきかない」のは「なぜ」なのか考えてみましょう。いつもそうなのか、どんなことを嫌がるのか、機嫌がいい時と悪い時の違いは何か、そもそも家族の言葉の意図を理解できていないのか、理解できているが繰り返してしまうのか。
気持ちを受け止めてもらえたと感じるコミュニケーションを
例えば、食事を食べたにも関わらず、
「昼食を食べさせてもらっていない」という方に対して
「さっきたべたばっかりでしょ!何回も何回も同じことを言って」
と話しかけるより、
「今準備しているから待ってくださいね」
と話したほうが、穏やかに話しかけることができますよね。準備してないのに、準備していると嘘をついても良いの?と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、時に言葉を合わすことも必要です。
ただし、食べたことを忘れているのか、口喝や空腹感を感じているのかは確認するようにしましょう。
食べた時間や物をメモで残しておき本人の見えるところに置いておく、そして一緒に確認することが有効な場合もあります。
「自分の字でメモがしてありますね、ご飯を食べたのは30分前ですね。ですので、まだおなかがすいていないと思いますがどうですか」と声をかけてみるといいでしょう。
徘徊には必ず理由があると心得る
2つ目と同じくらいに多いのが、「徘徊して困っています」ということです。
認知症の方が徘徊をするには、理由があると言われています。認知症の方の中では、外へ出かけるストーリーがきちんとあるのです。
例えば、パートナーが見当たらなくて不安になって外へ出たという方もいます。外へ出て探しているうちに、何のために外へ出かけた解らかなくなり、そして家に帰ろうと思っても道が解からなくなり、ただ歩いていると、遠くへ行ってしまうのです。
もちろんこれ以外にも認知症の家族は様々な不安を抱いています。ですので、認知症ケア専門士のあなたが、その話を聞き少しでも家族の不安が軽減できるお手伝いができることを願っています。
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