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認知症を理解する
認知症かも?認知症だったらどうしよう?と思いながら、ものわすれ外来や認知症外来を受診し、医師から実際に診断されると本人だけではなく、家族もこれからの人生どうなっていくのだろう?そしてどうやって生活していけば良いのだろう?という不安との戦いが始まります。
相談できる人がいれば良いですが、認知症の方への接し方を細かく指導してくれる場所はまだまだ少なく、悩んでいる方がとてもたくさんいらっしゃいます。
多くの方が認知症と聞くと、暴れる、暴言を吐く、徘徊する、話を聞かない、不潔行為をするといったように、マイナスイメージを抱く方が多いと思います。
ですが、そんな事はありません。認知症という症状を理解し対応することで、マイナスな事だけではなく、今後の人生に明るさも取り入れることが出来ます。
認知症の方とうまく寄り添うためには、周りの人の理解と対応力がとても重要となってきます。
認知症の人の視点から考える
どのように理解し対応すべきなのか例をあげてお話していきましょう。
もしも、目の前で認知症の方がお風呂に入るのを嫌がっていた場合、あなたならどうしますか?
無理やりお風呂に連れていきますか?
認知症の人の世界からみれば、会ったことのない自分より若い人、ときには異性の人にいきなりお風呂場に連れていかれ、服を脱がされる、そんな感覚なのです。相手が介護士である、医療者であることはわからないこともあり、施設や病院のお風呂場はなじみのない場所なので何をされるのだろうと思ったり、どうして自分の意思に反してお風呂に入らなければいけないのかと考えます。
その人のパーソナルな部分を忘れないで
では、どのような対応をするのがベストなのか?
まずは、なぜお風呂に入りたくないかを聞きます。うまく答えられない場合には時間を空けて話しかけるか、人を変えてみてください。
お風呂に入りたくないというのには、何かしらの理由があります。
話しかけられた際の話し方が嫌だったかもしれませんし、誰かに裸を見られるのが嫌だったかもしれません。また、昔からお風呂嫌いだったかもしれませんし、今はテレビを見たいなど他のことをしたいのかもしれません。
ご家族にもともとお風呂は好きだったかきいておくといいでしょう。長風呂の人、シャワーで済ます人、熱い湯が苦手な人、朝風呂派だったひと、一言でお風呂といってもその好みはいろいろあります。
嫌であっても嫌な理由を言葉にできないのも、認知症の症状のひとつです。ですので、周りがその気持ちの寄り添い、なぜ嫌なのかを聞き取って気持ちを尊重した対応をすることで、認知症の方はイライラせずに生活をすることが出来ます。「この人なら安心できるな」「気持ちいいな、さっぱりしたな」という快の刺激によって認知症の人の興奮は緩和されます。
「心地よさ」と「ケアの必要性」のバランスを
お風呂に入ることは、衛生上とても大切なことです。ですが、お風呂に入らなければ死に直結するわけではありません。
お風呂だけではなく、トイレや食事などどのような行動についても一緒です。嫌なことを無理やりしようとすると、認知症の方だけではなく介助者もどんどんイライラし負のスパイラルに陥ってしまいます。お互いが嫌な思いをしないためにも、無理強いをしないことがとても重要なのです。
ですので、ケースバイケースで対応していくという気持ちがとても大切なのです。
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