ガイドラインの運動療法について

糖尿病の運動療法について

目次

ガイドラインの運動療法が変わりつつある!有酸素運動とレジスタンス運動とは

 

小学生の時は学校や公園を走り回り、中学から高校にかけては部活動などで体を鍛え、生活習慣病とは無縁の年代でありました。ところが就職し社会人になると、デスクワークが多くなり車の生活になりと運動不足が続くようになります。さらにストレスや人間関係に襲われ過食・飲酒・喫煙などをするようになります。

 

その結果、30歳を過ぎたあたりから体に脂肪が溜まりはじめメタボ体型になっていきます。そして会社の健康診断で血糖値・血圧・コレステロール・中性脂肪などの数値が高いと指摘を受け始めます。そして、私はまだまだ大丈夫だとかまだまだ健康だと言い切り、そのうち取り返しのつかない体になってしまうのです。

 

そこでこのような人たちが糖尿病になったとき、科学的根拠のある治療が受けられるように糖尿病診療ガイドラインが作成され進歩しています。ここではこのガイドラインのなかの運動療法について紹介します。

 

 

有酸素運動とレジスタンス運動の評価が高くなった

 

糖尿病診療ガイドラインは2004年に初版が発行されてから3年ごとに改定されています。そのなかで運動療法のエビデンスが少なく、食事療法と比べると劣っていました。ところが近年、糖尿病とサルコペニア・フレイルとの関係から評価できるエビデンスが登場してきました。

 

そのエビデンスのなかで最も症例数が多いのが、ブラジルのボルトアレグレ病院運動病理生理学研究所が研究した論文です。この研究の目的は血糖コントロールがどのような運動療法の種類で改善するか、これまで不明だった点の分析です。

 

これはランダム化試験を取り入れたメタ解析で、対象は12週間以上運動療法をした2型糖尿病患者8538人です。結果はHba1cが有酸素運動で−0.73%、レジスタンス運動で−0.57%、有酸素運動+レジスタンス運動で−0.51%と低下しました。さらに週150時間以上運動するとHbA1が−0.89%、150時間以下であると−0.36の低下となりました。ここに食事療法と運動療法を同時に指導するとさらに有効であったと報告されています。

 

そしてこのような研究とサルコペニア・フレイルの研究が世界中で実施されたこともあり2016年まで糖尿病診療ガイドラインに記載されていた有酸素運動とレジスタンスの併用にこれらの単独の評価がされたのです。これは運動療法の進歩に繋がりました。

  

 

有酸素運動とレジスタンス運動にはどのような種目があるのか

 

ここで気になるのが有酸素運動とレジスタンス運動にどのような種目があるかです。有酸素運動はご存知の通り、酸素を使った全身運動で糖をエネルギーにして消費していきます。運動開始から10分後から糖の消費が始まると言われ、種目はウォーキング・ジョギング・水泳・サイクリング・登山などです。

 

次にレジスタンス運動は、筋力アップと筋肉量を増やす運動です。たぶんこの運動の種目を想像すると真っ先にスポーツクラブが思いつくのではないでしょうか。ところが自宅で簡単にできる種目があるのです。それはスクワット・背面筋の運動・腕立て伏せなどです。これなら継続してできるのではないでしょうか。

 

 

まとめ 運動療法は有酸素運動だけでもレジスタンス運動だけでも有効

 

糖尿病になり生活習慣の指導を受けると、いままで過食や飲酒をしてきた生活が変わります。これだけで患者はストレスを感じます。さらに運動療法が加わるともっとストレスを感じます。ところが有酸素運動かレジスタンス運動のどちらを選んでも血糖コントロールができると分かれば、好みで選べるのでストレスの軽減に繋がると考えられます。是非、患者指導に役立ててください。

 

 

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