ACPって知っていますか?

看取りの場所が足りない!

最近よく耳にするアドバンスケア・プランニング(以下、ACP)

2018年11月に、厚生労働省が【人生会議】という愛称を発表したことでも話題になりました。

2025年、たった6年後、日本は多死社会に突入します。

病院のベッド数は増加の見込みがありません。

施設での看取りも2倍に増やし、在宅での看取りも1.5倍にしていくようですが、

それでもなお、約47万人が看取りの場所がないという状態に陥ります。

この47万人の受け皿をどうするか、知識や技術、倫理観を持ち合わせたケア従事者は十分に足りるのか、

これは自分たちの身にいつふりかかるかもわからない大きな問題です。

老夫婦

ACPってなに?

ACPは、「患者・家族・医療従事者の話し合いを通じて、患者の価値観を明らかにし、これからの治療・ケアの目標や選好を明確にするプロセス」であり、

そのプロセスの中では、身体定な内容にとどまらず、心理的、社会的、スピリチュアルな側面からも「どう生きていきたいか」を話し合います。

そして、人の心は変わって当然であることを理解して、一度決めて終わりではなく、定期的に話し合いを行っていくことが大切です。

話し合いを重ねることで、その人が大切にしている価値観を知り、意思決定ができなくなったときに意思決定代行を託すことのできる信頼関係が築かれるのです。

いままでは、家族だけで話し合い、代理決定を行ってきました。

でもその家族の代理決定を、医療従事者がサポートし、肯定することができれば、家族の心理的な負担は少し軽くなり、家族の悲嘆ケアにもつながっていくでしょう。

アドバンス・ディレクティブ(以下、AD)についてご存知でしょうか。

ADは、「患者あるいは健常人が、将来判断能力を失った際に、自らに行われる医療行為に対する意向を前もって示すこと」です。

これを文章化して残したものがリビングウィルといわれるものです。

しかしながら、アメリカの研究では、終末期患者の約50%が、意向を示した内容が十分に反映できず、ICUに入室して治療をしたり、人工呼吸器を装着されたりしていたことが

発表されています。

たとえば、病気が分かったときにADを書いておいても、それから病状が変化し、月日が経過していると、その時の本人の意図は反映されにくくなってしまいます。

また、指示内容は「心肺蘇生をしない」「人工呼吸器はつけない」「高カロリー輸液はしない」など、漠然とした内容のものであり、その時に起こる疾患や症状、治療の可能性、予後予測、などは千差万別であり、

「じゃあ、蘇生はなしですね」とはならないでしょう。

やはり、現在とこれから起こりうることを共有したうえで、時期に応じた話し合いをしていくプロセス、つまり、ACPが大切なのです。

一般の人のACPの認知度は?

平成29年度の厚生労働省の調査では、

「人生の最終段階における医療について家族や医療機関と話し合ったことがある」割合は約3%だった。

その理由は、「きっかけがなかった」が56%、「何を話し合えばいいのかわからなかった」が22%も存在していた。

サプライズクエスチョン

ACPはいつごろから話し合えばいいのだろうか。

早すぎても、判断は不可確実で不明瞭なものとなり、遅すぎると、現実的で話しにくくなったり、意思決定ができない状態になってしまうこともある。

そこで、有用とされているのが、サプライズクエスチョンである。

これは、医師自身が自問自答をし、「この患者さんが1年以内に亡くなったら驚くか」という質問に対し、「驚かない」と思うのであれば、緩和ケアの提供を始めたほうがよいうとされる指標である。

緩和ケアの開始、それとともに、ACPに取り組んでいくことも、治療方針や目標を決めていくうえで、いいタイミングではないかと思う。

 

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