- 目次
みなさん、呼吸療法認定士の勉強は捗っていますか❓
このシリーズでは、皆さんが苦手な分野や
苦戦している内容を解説していきます!!
今回解説するのは呼吸機能とその検査方法の中でも
特に難しいと言われている「DLCO」についてです。
ぜひ最後まで読んでいって下さい✨
そもそもDLCOって何?
DLCOとは、呼吸機能検査のうち肺拡散能力
※を調べる検査によって測定される数値です。
(※肺拡散能力:肺から体内への酸素の取り込む能力のこと)
DLCOはそれぞれ
を表しています。
本当は酸素の拡散能力(DLO₂)を知りたいのですが、
測定することが困難であるため、代用としてCOを使用しています。
1回呼吸法ってどんな測定方法?
測定方法は3種類あります。
▪1回呼吸法
▪恒常状態法
▪連続呼気採取法
このうち最も広く採用されているものが
1回呼吸法です。
それでは、1回呼吸法の手順をご紹介します!!
※最大呼出から最初に得られる0.75Lを
捨てる理由は、拡散に関与していない死腔部分の
呼気を計算に入れないようにするためである
以上のフローチャートに沿った
手順で、COが測定されます。
DLCOに影響を与える因子
性別や年齢、身長などから
算出した予測値と比べて、評価します。
DLCOが予測値と比べて低下してしまう原因は、
大きく2つに分けられます。
まず1つ目は「肺性因子」です。
間質性肺炎やサルコイドーシスなどの
拡散が障害される疾患やCOPDなどのガス交換を
行う面積が減少してしまう疾患が該当します。
単純に拡散するCOの量が減少してしまうため
DLCOが低下します。
※COが肺胞や気管内に留まってしまうと、
検査機器が肺で拡散したとみなし、
DLCOが上昇する(気管支喘息などでみられる)
2つ目は「肺外性因子」です。
心拍出量の減少や貧血などが挙げられます。
血中Hb量が減少してしまうことで、
結合できるCOも減少してしまうため
DLCOが低下します。
2つの因子がどのように
影響を与えるか分かりましたか❓
DLCOと DLCO/VAの違いは?
DLCOをVA(肺気量)で補正した指標
です。
DLCOは肺全体を表す指標であり、
肺自体が大きくなる(VA↑)ほど
拡散する量が増えるためDLCOが高値となります。
そこでDLCOをVA で割ることにより、
肺全体ではなく単位体積あたりのDLCOを
求めたものがDLCO/VAとなります。
ここで注意しなければならないこととして、
「DLCOと DLCO/VAどちらか片方の指標だけで拡散障害の有無を判断してはいけない」
ということです。
例として、
拡散能力が正常な健常肺を肺切除した場合を考えます。
肺切除すると、拡散に関わる肺胞全体の量が
減少するためDLCOは低下します。
しかしながら、肺へ流れてくる血流は一定なので、
切除した肺に流れていた血液は残った肺へ流れ込みます。
結果として1つの肺胞に流れる血液量は、切除前よりは
増加するため単位体積あたりの
肺拡散量を表しているDLCO/VAは上昇してしまいます。
このようにDLCOと DLCO/VAは、
お互い矛盾したような変化を示すことがあるので
両方のパラメータを評価することが
診断する上で重要なのですね。
問題を解いてみよう!
今回は、2問ご用意しましたので順番に解いていきましょう!
▪問題①
DLCOに影響を与える因子のうち,肺外性因子はどれか(難易度:基礎レベル)
a.肺線維症
b.COPD
c.貧血
d.サルコイドーシス
e.肺血栓塞栓症
▪問題②
DLCO/VAが上昇する要因として、正しいものはどれか(難易度:応用レベル)
1.軽度の肺線維症
2.神経・筋原性疾患
3.貧血
4.肺血流量低下
5.喫煙直後の測定
a.1,2 b.1,5 c.2,3 d.3,4 e.4,5
いかがでしたか❓
少し難しい問題もありましたが、
この機会にしっかりと復習しておきましょう!!
おわりに
これからもこのシリーズでは、
皆さんの苦手や苦戦している内容などを
解説していきます。
ケアまるplusのSNS交流では、
呼吸療法認定士の試験範囲で
解説してほしい内容を募集しています!!
投稿の中から特に多かった内容を
1~2か月に1回のペースで
解説していきます。
試験勉強をするうえで、気になる内容が
ありましたらお気軽に質問を送ってくださいね。
アステッキの教材なら「忙しいあなた」でも資格取得を目指せる。
アステッキの教材を利用した多くの方が資格試験に合格されています。
その理由は徹底した教材作りへのこだわりに隠されています。
あなたも知識の幅を増やしたり、就職の選択肢を広げたりと自身の可能性を広げてみませんか。