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2021年6月にアルツハイマー型認知症の新薬が承認されました。今回は、この新薬「アデュカヌマブ」とはどのような薬剤なのか、そして今後の展望について考えていきたいと思います。
アメリカの製薬会社と日本の大手製薬会社が共同で開発したアルツハイマー型認知症治療薬である「アデュカヌマブ」について、アメリカのFDA(食品医薬品局)は、「原因と考えられる脳内の異常なタンパク質を減少させる効果を示したため治療薬として承認した」と発表しました。
アルツハイマー型認知症の新薬「アデュカヌマブ」は症状の進行を抑えることを目的とした薬剤であり、脳内に蓄積した「アミロイドβ」という異常なたんぱく質を除去し、神経細胞が壊れるのを予防するという効果があるとされています。
日本ですでに承認されている認知症の治療薬には、ドネペジル(アリセプトR)・ガランタミン(レミニールR)・リバスチグミン(イクセロンパッチR)・メマンチン(メマリーR)があります。これらの薬剤の多くは、アセチルコリンエステラーゼ阻害作用によって神経伝達物質である脳内のアセチルコリン濃度を高め、認知症症状の進行を抑制することが知られています。今回、新たに承認された「アデュカヌマブ」は、既存薬剤の作用機序とは全く異なり、アミロイドβにアプローチする初めての治療薬として注目されています。
ここで認知症について少しおさらいしておきましょう。認知症には様々なタイプがあります。以下は、タイプと罹患している患者の割合を示しています。
- アルツハイマー型認知症(AD) 6%
- 血管性認知症(VaD) 5%
- レビー小体型認知症(DLB)/認知症を伴うパーキンソン病(PDD) 3%
- 混合性認知症(Mixed) 3%
- 前頭側頭葉変性症(FTLD) 0%
- アルコール性認知症(Alcohol) 4%
- その他 9%
2012年に厚生労働省が調査した認知症高齢者数は推計約462万人でした。また、タイプ別にみてもアルツハイマー型認知症の割合は6割を超えており、「アデュカヌマブ」への期待はさらに高まっています。
2025年には認知症患者が約700万人(65歳以上の5人に1人)に増加するといわれています。団塊の世代が75歳以上に移行する「2025年問題」を目前に、新薬の普及や認知症ケアに携わる私たちに何ができるのかを改めて考えなければならない局面にきています。
引用・参考元
URL:https://www.eisai.co.jp/news/2020/news202083.html
- 厚生労働省,認知症の原因疾患(mhlw.go.jp)
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